大原合格者の会「大原アシスト」会報誌
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関与先が我々に望むこと◆ 機動力=「巡回監査」◆ 経営分析や経営助言、提案、情報提供◆ 事業計画の策定支援◆ 金融機関の取次ぎ・斡旋・交渉◆ 信頼性の高い決算書 (書面添付・モニタリング)コロナ禍で苦しむ中小企業が多い中、税理士は経営者を支える存在に次に、税理士が普段一緒に仕事をする関与先からは、コロナ禍の今どのような役割を期待されているのでしょうか。まずは「機動力」です。昨今は世の中の動きが非常に速くなっていますから、お客様は税理士にも迅速な対応を求めます。ただし、これについては、毎月最低1回はお客様と面談する巡回監査によって応えていくことができます。「機動力」の下に挙げている「経営分析や経営助言、提案、情報提供」も、巡回監査によって担うことができる領域です。そして次に赤字で挙げている「事業計画の策定支援」と「金融機関の取次ぎ・斡旋・交渉」。この2つは今、税理士の業務として非常にクローズアップされているものです。コロナ禍の影響を受けた企業を支えるために持続化給付金や雇用調整助成金、家賃支援給付金といったさまざまな制度が用意されましたが、そうした制度の申請には税理士のサポートが欠かせない状況になっています。さらには今、補助金や助成金だけでは経営を継続できないところまで追い込まれている中小企業も増えてきています。そのようなお客様に対して税理士はどのようなサポートをしてい「資格の大原 税理士実務家講演会より抜粋」るかというと、金融機関に取次ぎ、経営者と共に金利や借入金額の交渉を行っています。金融機関としても、経営者がひとりで来るのではなく、顧問税理士が一緒に会社の状況を説明してくれたほうが助かります。会社の継続に必要な資金額やアフターコロナを見据えた返済計画を税理士が共に説明することで、金融機関からの信頼性が高まるのです。―関与先からの期待に応えるには        巡回監査が重要―こうした税理士のすべての仕事の基本になっているのが巡回監査です。士業の中でお客様と会う頻度が最も高いから、税理士は支援できることも一番多いのです。下の図では「巡回監査」でできることを6つ挙げています。すべてを詳しく説明することはできませんが、例えば左上に挙げている「社長に『気づき』と『やる気』を喚起」について言うと、業績検討会の定期開催なども税理士がサポートする領域ですし、単年度の短期経営計画も経営者と一緒につくります。売上目標はいくらで、利益率はどれくらいで、お給料はどれくらい支払って、利益はいくら残すのか。そういったことを具体的に数字に落とし込み、毎月訪問する中で目標の達成具合をチェックし、計画目標通りにいかなそうであれば対策を考えることを経営者に促します。左下の「リスクマネジメント」も重要な業務です。生命保険や損害保険をご提案したり、中小企業退職金共済制度への加入をおすすめしたりするのも税理士の仕事です。「保険の営業までするの?」と思われるかもしれませんが、営業のためではなく、お客様の会社を守黒字決算の継続による企業の存続・発展社長に「気づき」と 「やる気」を喚起● PDCAサイクルに基づく業績検討会の定期開催● 単年度予算(短期経営計画) 策定支援社長が数字を読めるように● 経営者の計数管理能力育成● タイムリーな業績管理体制構築によるPDCAマネジメントの実践支援社長のビジョンを明確化● 経営者のビジョンに基づいた中期経営計画(経営改善計画)策定支援● 早期経営改善計画リスクマネジメントで会社を完全防衛● TKC企業防衛制度(生命保険)● リスクマネジメント制度(損害保険)● 小規模共済/倒産防/中退共会社の社会的信用を確保● モニタリング情報サービスで会計帳簿と決算書の信頼性確保● 高品質な書面添付で調査省略最新情報の提供● 後継者塾・経営者塾の開催● TKC経営指標(BAST)活用 ● HPによる情報提供● 中小企業支援策の情報提供巡回監査るためにご提案するのです。さまざまなリスクに対する備えをしておくのは、経営において大切なことです。そして、注目していただきたいのが右上の「社長のビジョンを明確化」の中に赤字で書いている「早期経営改善計画」です。コロナ禍の中でこの仕事が増えています。早期経営改善計画を経営改善支援センターに提出して補助金を得られる制度を活用するために、経営課題やそれに対する具体的なアクションプランを示した早期経営改善計画を、税理士が経営者と一緒に作成することが多くなっています。顧問先が補助金を得て新しい事業展開をしていくためのお手伝いをするのです。国やお客様の期待に応えられる税理士の需要はとても高いこれまで述べてきたように税理士が担う役割は、本当に多岐にわたっています。税務や会計仕訳の指導だけすればいいというのは、古い考えと言えると思います。お客様からしてみても、税理士が会計業務に詳しいのは当たり前です。プラスアルファの支援ができる付加価値の高い税理士が、お客様から選ばれる時代になっています。しかし、保証や経営助言などの国やお客様から期待されている役割を担える税理士が、今は全然足りていない状況です。私は開業して約17年経ちますが、お客様が途絶えないどころか、毎年増え続けています。それだけ需要はあるのです。みなさんにはぜひ、お客様の期待に応えられる付加価値の高い税理士になっていただきたいと思います。そして、税理士はさまざまなタイプの方が活躍できる仕事です。事務所に勤務する税理士として活躍していってもいいですし、自分で独立開業してもいい。資産税や相続税を得意分野として自分のスキルを伸ばしていくこともできます。お客様の業種を特化して強みをつくっていくことも可能です。幅広い選択肢の中から自分のスタイルを選べるというのも、税理士の魅力なのです。ぜひ税理士の方々には、自分らしいキャリアを歩んでいただきたいと思います。22

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