大原合格者の会

    1. ランドマーク税理士法人
    2. 清田 幸弘

    昭和37年横浜市の農家の長男として生まれる。

    横浜農協(旧横浜北農協)に9年間勤務、金融・経営相談業務を行う。

    資産税専門の会計事務所勤務の後、平成9年、清田幸弘税理士事務所設立。
    その後、ランドマーク税理士法人に組織変更。

    平成29年4月にオープンをした「朝霞台駅前事務所」、同年8月にオープンした「新宿駅前事務所」を含めて12の本支店を展開。無料相談窓口「丸の内相続プラザ」、相続実務のプロフェッショナルを育成するため「丸の内相続大学校」を主催。「一般社団法人 相続マイスター協会」の代表理事を務めるなど業界全体の底上げと後進の育成にも力を注いでいる。

ヒトの権利による評価減

こんにちは。ランドマーク税理士法人の清田です。
突然ですが、見知らぬ人達と一室に監禁されたらどうしますか?みんなで協力して知恵を出し、そこから脱出する「リアル脱出ゲーム」をご存知でしょうか。リアル脱出ゲームとは、株式会社SCRAPによる体感型ゲームイベントで、密室からの脱出、遊園地からの脱出や、トイレからの脱出、実際に下北沢を歩きながら謎を解く下北沢謎解き街歩き等様々な脱出ゲームが開催されています。基本は一つの謎を解くと、次の謎に進め、いかに短期時間で脱出できるか、というゲームなのですが、遊園地等広い舞台を対象にしたイベントに参加すると、最後の方は汗だくでした。舞台演出家の企画や、ポケモンや、コナンともタイアップされているため、プログラムによってはご家族でも楽しめるのでおススメですよ。何回か参加しているのですが、知り合いよりも、それぞれ見知らぬ人と組んだ方が確実に面白いです。人気のイベントは三カ月前くらいからチケットが売り切れてしまいますので早めのチケット予約をお勧めします。
さて、今回は不動産の賃貸契約をした場合、借家人にもかなりの権利があるので評価減がある、というお話です。

土地の評価減

土地はどんなときに評価減されるのか、といえば、要は使い勝手が悪いときに何かしらの減額要因が考慮されます。高低差があったり、墓地と隣接していたり、土壌汚染があったり、というのは直観的にも非常に分かり易いですね。もう一つのパターンとしては、傍目からは目視できないのですが、ヒトの権利があるときもまた、非常に使い勝手が悪いです。「出て行け!」と言っても、簡単には出て行かないわけですから。少なくとも、いきなり無断で更地にして売る、なんてことはできないわけです。つまり、その財産の取扱いには相当な制限があると捉えることができ、評価減されるというのも納得できるのではないでしょうか。

家屋を貸した場合の評価減

アパートやマンションが建築されている場合、家屋の借家人は「家屋」に対する権利を有しているだけでなく、その家屋の「敷地」についても、ある程度支配権を有していると認められます。逆に、地主の側にしてみれば、その範囲内の利用については受忍義務を負うことになると考えられるわけです。そのため、相続税額を計算する際に使用するこの宅地の評価額は下記の算式のようになります。貸家建付地=宅地の自用地としての価額×(1-「借地権割合」×「借家権割合」×「賃貸割合」)例えば、自用地としての価額が2億円、「借家権割合」が30%、「賃貸割合」が100%、(アパート10室の内、10室とも入居者がいる状態)、「借地権割合」が70%とすれば、「貸家建付地」としての価額は1億5,800万円(=2億円×(1-0.7×0.3×1))にまで下がります。
ちなみに「借地権割合」は、評価しようとする宅地が存する地域により異なりますので、国税庁HPで閲覧できる路線価図や評価倍率表により確認して下さい。

家屋を購入した場合の評価減

また、建物を購入すること自体が現金を持っているよりも相続税額としては有利に働きます。というのも、アパート、マンション(貸家)の評価は以下の算式から導き出されるためです。貸家=固定資産税評価額×(1-「借家権割合」×「賃貸割合」)建築費総額に比べて固定資産税評価額は低く(概ね45~60%程度)、その上「借家権割合」を差し引くこともできるため、金融資産のままよりも相続税課税財産はかなり低く評価されます。 1億円×0.6×(1-0.3×1)=4,200万円 「賃借権」というのは何かといえば、賃貸借契約に基づいて、賃借人が使用収益できる権利のこと。実務上では駐車場の評価でよく用いられます。
≫国税庁HP[貸駐車場として利用している土地の評価]
この減額を検討する際に、気をつけるべき部分は2点。1つ目は、権利の強度。賃借権の登記がされていたり、権利金や一時金の支払いがあったり、構築物があったりする場合は、これらがない場合と比べると倍も減額割合が違います。当然、権利が強いほど、減額割合は大きくなります。2つ目は、賃借権の残存期間。こちらも、上記と考え方は同様で、期間が長ければ長いほど減額割合は大きくなります。このように、外観からはわからなくても、契約の紙切れ一枚で減額の可能性があるわけです。財産評価は奥が深いですね。