大原合格者の会

    1. ランドマーク税理士法人
    2. 清田 幸弘

    昭和37年横浜市の農家の長男として生まれる。

    横浜農協(旧横浜北農協)に9年間勤務、金融・経営相談業務を行う。

    資産税専門の会計事務所勤務の後、平成9年、清田幸弘税理士事務所設立。
    その後、ランドマーク税理士法人に組織変更。

    平成29年4月にオープンをした「朝霞台駅前事務所」、同年8月にオープンした「新宿駅前事務所」を含めて12の本支店を展開。無料相談窓口「丸の内相続プラザ」、相続実務のプロフェッショナルを育成するため「丸の内相続大学校」を主催。「一般社団法人 相続マイスター協会」の代表理事を務めるなど業界全体の底上げと後進の育成にも力を注いでいる。

「『相続人』って、誰?」

こんにちは。ランドマーク税理士法人の清田です。

性格は顔に出る
生活は体型に出る
本音は仕草に出る
感情は声に出る
センスは服に出る
美意識は爪に出る
清潔感は髪に出る
落ち着きのなさは足に出る

数年前にSNSで反響のあった名言です。一般の方が発信したようなのですが日頃の言動を反省させられる文章ですよね。性格や体型はすぐには変えられませんが、爪はどうでしょうか。爪のケアというと女性がするものというイメージが強いかもしれませんが取引先での名刺交換、プレゼンや会議で資料を手渡すとき、男性も意外と見られているようですよ。近頃は意識の高いビジネスマン向けでしょうか、男性専用のネイル専門店もあります。そこまではちょっと、という方は甘皮(爪の生え際の角質)の処理をしてみてはいかがでしょうか。お風呂あがりにガーゼやハンカチを親指に巻き付け、反対の手の爪の付け根を生え際に向かって押し上げるだけです。これだけでだいぶ印象が変わりますので是非試してみてください。
さて、今週のお話は相続人のお話が中心です。相続人は口伝えではなく、しっかりとした規定があります。いざ相続が発生した場合に誰が相続人になるのか。生命保険金の非課税の適用について少しややこしいお話にもふれますのでしっかり理解をしながら見てまいりましょう。

相続人の順位

民法における相続法と税法における相続税法とでは、相互に補い合うような仕組みになっています。税法で規定されていない部分については民法から概念を借用してくる場合もありますし、ものによっては、両方で規定があるものの、その取扱いが微妙に違うという場合もあります。今回は、両者で規定されている「相続人」についてお話していきたいと思います。
民法では、相続人の範囲を、被相続人からみた次の人と定めています。

1.配偶者:
死亡した人の夫または妻は、いわば特別扱いで「常に」相続人になります。(先妻、先夫、内縁者は相続人にはなれません。)

2.配偶者以外の人は、次のように相続人となる順序が定められています。

<第1順位>子供:
子供が先に死亡している場合には、子供の子供である孫(直系卑属)が相続人になります。また養子も相続人になります。

<第2順位>親:
被相続人に子がいない場合、親が相続人になります。その親も死亡している場合は、親の親である祖父母(直系尊属)が相続人になります。(父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。)

<第3順位>兄弟姉妹:
被相続人に子、親共にいない場合には、兄弟姉妹が相続人になります。さらに兄弟姉妹が先に死亡している場合には、その兄弟姉妹の子が相続人になります。

民法と税法における養子の数

民法上では、要件さえ満たせば、何人でも養子縁組することはできますが、税法上では、相続人の数にカウントされる養子の数は、実子がいる場合で1人、実子がいない場合で2人に制限されています。この相続人の数にカウントされるかどうかで、何が変わるのか、といえば、一番大きいのが基礎控除額。3,000万円+ 600万円×法定相続人の数とされているので、子供が1人増えるごとに、600万円も課税価格が引き下げられるわけです。さらに、生命保険金と退職金についても、法定相続人1人につき500万円の非課税枠が設けられています。そして、相続税額の計算上、一度、法定相続分で取得したものとみなして税額を算出するため、超過累進税率の特性から、ここでも税額が引き下げられることに。早い話、相続人が増えるほど税金が安くなってしまうので、税法上では、過剰な節税に歯止めをかけるために、上述のような養子の人数制限をしているのです。

放棄があったときの「相続人」

この相続法と相続税法の違いで、実務上、一番気をつけていただきたいのは「放棄」があった場合です。民法では、「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」とありますが、税法では、相続の放棄があった場合でも、その放棄がなかったものとした場合の相続人(俗称「法定相続人」)の数が税額の計算においては重要になってきます。

(1)生命保険金の非課税枠
(2)退職金の非課税枠
(3)遺産に係る基礎控除
(4)相続税の総額

に関しては放棄があってもなくても変わりません。実は、これらは先ほどの養子縁組のご説明で登場した制度です。つまり、養子縁組の効果は放棄に左右されないということになります。逆に、「放棄」をすることで利用できなくなる制度として、代表的なものは生命保険金の非課税、退職金の非課税、債務控除があります。(生命保険金の非課税、退職金の非課税に関しては、さっきと矛盾するではないか、と思われるかもしれません。非課税枠の「総額」は放棄があってもなくても変わりませんが、それを「適用できる」のは、相続人だけということです。)法律1つでも手一杯なのに、同じ「相続人」という言葉を微妙に違う意味で使われるともうお手上げですよね。ひとまず「相続人」という言葉の定義は民法上と税法上とでは違う、ということだけでも押さえておいて下さい。