大原合格者の会

    1. ランドマーク税理士法人
    2. 清田 幸弘

    昭和37年横浜市の農家の長男として生まれる。

    横浜農協(旧横浜北農協)に9年間勤務、金融・経営相談業務を行う。

    資産税専門の会計事務所勤務の後、平成9年、清田幸弘税理士事務所設立。
    その後、ランドマーク税理士法人に組織変更。

    平成29年4月にオープンをした「朝霞台駅前事務所」、同年8月にオープンした「新宿駅前事務所」を含めて12の本支店を展開。無料相談窓口「丸の内相続プラザ」、相続実務のプロフェッショナルを育成するため「丸の内相続大学校」を主催。「一般社団法人 相続マイスター協会」の代表理事を務めるなど業界全体の底上げと後進の育成にも力を注いでいる。

夫婦間の贈与で相続税対策

こんにちは。ランドマーク税理士法人の清田です。
今日は税理士法人らしく、数字にまつわるお話をしようと思います。 難関資格である公認会計士試験には「短答式試験」と「論文式試験」の2種類があるのはご存知かと思います。短答式試験は平成7年に初めて実施されたのですが、新しい試験制度で緊張していた当時の受験生を惑わせたのが「解答は全てアラビア数字で書くこと」という指示です。人生をかけて臨んでいる試験で「アラビア数字」。普段の冷静な状態ならまだしも、緊張状態の中で混乱した人も多かったと思います。文明の発達により世界各地で固有の数字が誕生しますが、現在最も使われている数字が、0.1.2.3...のアラビア数字です。Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ...といったローマ数字も時計の文字盤でよく目にしますよね。アラビア数字が伝わるまでヨーロッパで使われていたローマ数字ですが、欠点が3つあります。
・0「ゼロ」が無いこと
・4000以上の数字を表せないこと
・桁の区切れ目がわかりずらいこと
特にゼロというのが人類の偉大な発明と言える概念なのですが、インドのヒンズー教・仏教の「無」「空」の概念から生まれています。そこにあるものが無くなってしまったから数えなくていいのではなく、存在があったことを抽象化してゼロとする。 この発明がなければ、棚卸資産を管理するという企業会計の要である考え方も存在しなかったかもしれません。
さて、今月は、贈与税の配偶者控除のお話です。

贈与税の配偶者控除の適用要件

夫婦間で贈与をする場合、結婚して20年以上経過した夫婦であれば「贈与税の配偶者控除」という特例を受けることができます。この特例は、居住用不動産(または、これを取得するための金銭)の贈与を受けた場合、贈与財産の課税価格から2,000万円を控除できるというものです。適用要件は以下の通りになります。
①婚姻期間が20年以上であること
②居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること
③贈与された翌年3月15日までにその居住用不動産に居住し(金銭贈与の場合は、居住用不動産を取得し居住)、その後も引き続き居住する見込みであること
④一定の事項を記載し、一定の書類を添付した申告書を提出すること

特例を適用した贈与税の計算

この配偶者控除後の金額は贈与税の基礎控除(110万円)と併せて適用できるため、節税効果が非常に大きい制度といえます。
<例>評価額2,500万円の自宅の敷地を配偶者に贈与した場合
特例適用前
⇒(2,500万円-110万円)×50%-250万円=945万円
特例適用後
⇒{2,500万円-(2,000万円+110万円)}×20%-25万円=53万円
この例で特例を適用すると、贈与税額が従来よりも約900万円近く有利になります。

適用上の注意点

贈与を受けた居住用不動産の価額が2,000万円未満で控除できなかった金額がある場合でも、その不足額を翌年以降に繰り越して再び控除額として使用することはできません。つまり、この特例を利用出来るのは「1人の配偶者につき」1回のみということになります。(ちなみに、この控除を利用した後に離婚して別の人と再婚して20年を経過すれば、再び利用することが可能です。)また、特例の適用を受けて贈与を行う場合には、登録免許税や不動産取得税もかかります。それらを考慮してもなお相続税を減額する効果があるのかを、事前に専門家に依頼して試算してみることをお勧めします。