大原合格者の会

    1. ランドマーク税理士法人
    2. 清田 幸弘

    昭和37年横浜市の農家の長男として生まれる。

    横浜農協(旧横浜北農協)に9年間勤務、金融・経営相談業務を行う。

    資産税専門の会計事務所勤務の後、平成9年、清田幸弘税理士事務所設立。
    その後、ランドマーク税理士法人に組織変更。

    平成29年4月にオープンをした「朝霞台駅前事務所」、同年8月にオープンした「新宿駅前事務所」を含めて12の本支店を展開。無料相談窓口「丸の内相続プラザ」、相続実務のプロフェッショナルを育成するため「丸の内相続大学校」を主催。「一般社団法人 相続マイスター協会」の代表理事を務めるなど業界全体の底上げと後進の育成にも力を注いでいる。

相続放棄とは

こんにちは。ランドマーク税理士法人の清田です。
皆さま、名曲喫茶にいかれたことはありますか?名曲喫茶とは、カフェとは異なりコーヒーや紅茶をはじめとする飲み物を供するだけではなく、クラシック音楽を本格的な音響装置によってお客さんに聴かせる場所です。

ルールやマナーが結構あり、おしゃべりは厳禁だったりするところもありますが時代を超えた名曲のレコードと本気のスピーカーと対面すると感動しますし、マスター、マダムも不思議で面白い方が多い気がします。
ただ最近名曲喫茶は、マスターの年齢が高齢になり亡くなられて閉店という店が多いため、ここもなくなったのか・・と肩を落とすことも少なくありません。

自分が学生時代によく通っていた店もマダムが亡くなり、閉店したと聞きがっかりしていましたが、この店をこよなく愛した方が店の遺志を継いで、現在も同じレコードを聴かせてくれる店があります。カップもマダムの店のものを引きついでいるので、懐かしさもひとしおです。
当時童顔だったため、ブランデーカルピスをよく頼んだ自分に「未成年にお酒だしちゃね」と悪戯っぽくマダムに毎回からかわれたことを思い出しました。

お薦めスポット名曲喫茶ですが、ハードルが高い点が一点。「知らない名曲喫茶店のドアを開けるのは勇気がいる」という点です。 一度入ってしまえば居心地よく、また来ようと思うんですけどね。

さて、今月のお話は相続放棄についてです。

素晴らしいものは世代を超えて続いて欲しいですが、負債になりそうなものは、相続放棄も視野にいれてまいりましょう。

マイナスの財産を相続しないために

弁護士から聞いた話です。
Aさんには行方不明のお兄さんがいました。お兄さんは放蕩息子で、結婚もせず当然こどももいませんでした。ある日、Aさんは遠く北海道でお兄さんが死亡したとの連絡を受けます。兄弟はAさんしかおらず、ご両親も既に他界しているため、遺体を引き取り小さなお葬式を出しました。

3ヶ月経過後、とある貸金業者から「お兄さんにお金を貸していた。Aさんが弁済して欲しい。」との連絡が。今まで相続など考えたことの無かったAさんは、相続放棄や限定承認の期限(3ヶ月)など知るわけも無く、そもそも、お兄さんの借金など寝耳に水です。一方の貸金業者は、この期限を知っていて、敢えて死亡後3ヶ月経過したあとに取り立てを行う様です。

このケースは必ずしも3ヶ月経過したら放棄不可能という訳では無い様ですが、かなり大変みたいです。ちょっと怖い話ですよね。提携する司法書士の話でも、これに近い案件は少なくないと聞きます。相続財産は放棄することが出来るということまでは、ぼんやり聞いたことがあるかもしれませんが、この手続きにはリミットがある、ということまでしっかり把握していましたか?相続人は、自己が相続人となったことを知った時から3か月以内に、単純・限定の承認又は放棄をしなければなりません。

単純承認と限定承認

【単純承認 ~「みなし」単純承認にご注意を~】
相続人が単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継するものとしています。したがって、相続財産をもって相続債務を弁済しきれないときには、自分の財産で弁済しなければなりません。また、次に掲げる場合には、相続人は原則として単純承認をしたものと「みなされ」ますので、ご注意下さい。
「知らなかった」では済まされないわけです。
① 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。
② 相続人が考慮(熟慮)期間(3か月間)内に限定承認又は放棄をしなかったとき。
③ 相続人が限定承認又は放棄をした後でも、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを財産目録中に記載しなかったとき。

【限定承認 ~全員が共同しなければできません~】
相続人は、相続によって得た財産を限度として、被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを了解して相続の受諾をすることができます。これを限定承認といいます。
一部の相続人の限定承認を認めるとすれば、相続財産をめぐる法律関係は極めて複雑となり清算は不可能となります。そのため、相続人が数人あるときの限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみ可能です。

相続の放棄

相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければなりません。 相続放棄の結果、放棄者は、初めから相続人でなかったものとみなされますので、代襲相続することはありません。(父親の財産を、子供が放棄しても、孫に行くことはないということです。)なお、現行の民法では生前に相続放棄をすることはできません。相続の放棄は「相続が開始」してから家庭裁判所に申述し、家庭裁判所で受理されてはじめて効力が生じることになります。

繰り返しになりますが、リミットは「相続の開始があったことを知った時」から3か月以内です。 財産の整理はくれぐれもお早めに!!